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第17章 探したよ…。

その男…
三波遥輝【ミナミ　ハルキ】こそ
かつて
闇金の帝王と呼ばれた財力で
若い頃のマイコを毎日貸し切りで
裏風俗店から購入して
マイコが今でも
トラウマとして
たまに悪夢として見ることがある
あの
マイコを何度も妊娠させては
何度も中絶させ
また妊娠させ…の
永遠のループに陥れていた本人であった。



ハルキは
マイコを思い出しながら
『あれからもう8年少しか…。　でも、意外に本気を出せば早く見つけ出せた。』と
呟いた


ハルキがたどった
マイコのあれからの軌跡は…

ハルキの子どもを4回目に中絶した直後
マイコは
突然裏風俗店から姿を消した…

ハルキは当時の裏風俗店の関係者を
闇金の部下に当たらせて
どうやら
頼りない若造と付き合い始めて
仕事を辞めたということを知った

ハルキの部下は
ほどなく
マイコがその頼りない男…ウチヤマキョウスケと
同棲し結婚したことを
情報として掴んだ

当時、マイコとキョウスケが暮らしていた
アパートを
ハルキの部下が訪れたところ
キョウスケは不幸にも急死し
残されたマイコと
その息子リュウという子どもが
キョウスケの実家のある
都会から遠く離れた田舎町で暮らしている…
ということを掴んだ。


実は
マイコは都会のアパートを引き払ったのち
この田舎町の住所を
お世話になったお礼とともに
当時のアパートの管理人の老夫婦に
手紙を出して伝えていたのだった…

こういう律儀さが
人の暖かさに飢えたマイコにはあったのだ…


『フッ…。マイコ…過去を捨ててやり直したかったら、音信は消しておかないとだめじゃねぇか…』
ハルキは
そうも呟いて
田舎町の空気を吸おうと
クルマから降りた…。