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第6章 お世話になります。

しばらくすると
向こうから
ワゴン車がマイコの方へと
向かってきた。


ワゴン車のボディには
【金属加工のウチヤマ鉄工】と
文字が書かれてあった


『マイコさん。遅れてしまいました！　こんな田舎にいらっしゃいませ。』
そうタイスケはそう
マイコの長旅をねぎらい
マイコとリュウを
ワゴンの後部座席に乗せた。


『半年ぶりにリュウ君に会うと、大きくなりましたね…。』
運転しながら
タイスケはそう
マイコにそう言葉をかけたあと
『ここは、何もない町でしょ？　都会ぐらしが長かったマイコさんには刺激がないかもしれないけど、ゆったりした気分にはなれますよ。リュウ君も自然のなかで大きくなったほうが…うん…いいと思うし…』
と話を続けた

しかし
マイコはクルマの窓越しに見える
ひと時代前のような
のんびりとした景色自体が
すでに刺激であった。


『お義兄さん。本当に迷惑じゃないですよね？私とリュウ、思い切ってお義兄さんに甘えようと思って、のこのこ来ちゃったんですが…　私、この町の風景気に入りました。』と
運転するタイスケの背中に
そう話した。


マイコの腕に抱っこされて
リュウはクルマの心地よい揺れのなかで
スースーと寝息をたてていた。