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第10章 ビジネスは順調に…。

工場につくと
ケンヤがマイコを見つけて

『あぁ！今日はマイネェさん。いつも差し入れスミマセン！』と
声をかけてきた。

『どうぞ、みんなでいっぱい食べてね！はい。』と
差し入れの
おにぎりとオカズを
ケンヤに手渡したあと
『お義兄さんいるかな？』と
マイコはケンヤに尋ねた

とその時
奥の事務所から
タイスケが工場に顔を出した。

『こんにちは〜』
マイコはタイスケに笑顔で
挨拶をしたが

『あっ。あ…マイちゃん…　い、い、いついつ、いつもありがとうね！』
吃りながら
タイスケはそうマイコの顔を
チラリと眺めたあと
視線をそらした

『あのぉ…　お義兄さん？　なんか最近ヘンですよぉ…何かありました？』
マイコは
少し俯き加減のタイスケの顔を
覗き込むように
見つめてそう尋ねてみた。

タイスケは
マイコのその仕草に
頰を少し赤らめながら
『えっ？えっ…　そんなことないよ。マイちゃん、もしかして今日はリュウちゃんのスイミングだったっけ？　もう随分と泳げるよになったかな？』と
逆にマイコに訪ね返した。

『うーーん。リュウはさぁ…キョウスケに似たのかなぁ？　お義兄さん、どう思う？』

『えっ？見た目はどちらかというと、マイちゃんかな？って思うよ。』

『でもさぁ…　あのこノンビリしすぎているし、いつもマイペース。　それにね…水に顔をつけるのも苦手みたいです、まだまだラッコちゃんコースなの。』

『ラッコ…？何それ。』

『あ。ラッコちゃんコースっていうのは、水遊びのレベルの一番下のクラスよ。　私…小さい頃は、どちらかというと、運動神経だけはあったほうだから…　キョウスケはどうだった？』

『あ！そういえば…。アイツはビビリだった！　ﾌﾌｯ…ｱﾊﾊｯ！！』

タイスケはそれから
マイコにキョウスケの幼い頃の話を
たくさん教えてあげた。