この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第2章 その弟子、現る

 到着した闘技場では、ちょうど別の入門希望者同士の手合わせが終わった所でした。

 次の組み合わせが呼ばれ、ウバシは教えられるより前に、前に出ようと移動するその少年に気付きました。

「……あの子?」
「はい。あの者です」

 白い肌、煙る様な銀色の髪、白っぽい服を纏って居ます。他の者達の中に居ると、遠目からでもその白さがぽつんと目立ち、すぐに分かりました。
 背はビスカスとさほど変わりません。幾らか小さい程度でしたが、見た目は大分華奢でした。

 闘技場に出て来ると、前髪が目にかかっていて目がよく見えない事が分かりました。そんな状態でまともに手合わせが出来るのか、と思いましたが。

「ま……」

 身のこなしもまた、ビスカスに似た所が有りました。小ささと軽さ、俊敏なところを上手く使って、相手を消耗させる様に動いています。
 大柄で筋肉質な人間は手合わせに於いては有利そうに思えますが、重さと速度という点では、不利なのです。自分の弱点にもなりかねない体格差を非常に上手く使っていることに、ウバシは感心致しました。

「……小さいと、似るのかねえ」

 ウバシは驚きのあまり、着いた時から素がちらちら出てしまっておりました。けれど二人ともその事に気が付かない程に、手合わせに見入って居たのです。

「ここまでは、そうです」
「ここまで?」
「……見ていて下さい」

 相手が疲れてきたと見るや、少年は軽く素早く動きました。そして、組んでいる相手の体のどこかを、小さく鋭く突きました。
 ……すると。

「っう!!」
「え、何っ?!」

 どさり、と重い何かが崩れ落ちる音がして。

「そこまで!!」

 闘技場には息すら乱していない涼しい顔の少年が、無表情な口元で敗者を見下ろしておりました。
/118ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ