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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第7章 婦人の悩みと殿方の困惑
*
「ちょっとぉっ、ジャナっ!?」
「はい?」
「細かい事は、先方と打ち合わせた後連絡する」と言い残してネリが退室した後、ウバシはジャナに詰め寄りました。
「アンタ、ほんとに分かった上で承諾したのっ?!若い男が軒並み精を搾り取られてふらふらになって戻って来てんのよっ?!」
「理解しておりますが……命は、取られていないのでしょう?」
ジャナは棚から何やら怪しげな瓶を出して唸りながら、おざなりに答えました。
「命が無事なら、別にどうと言うことは……そもそも私には、絞られる様な物など何も付いておりませんし」
「そりゃそーだけどっ!」
ジャナの言う通りです……が、この場合はむしろそれが心配なのです。
「それに……有る意味、これは好機です。渡りに船です」
「え。」
ジャナの目が、今度は遠慮なしに爛々と輝き始めました。
「師範さま。この闘人館の門人は、男しか居りませぬのです」
「ったり前でしょーがっ!!」
なぜか残念そうに言うジャナに、ウバシが唾を飛ばさんばかりに吼えました。
残念そうに言われようが、女人禁制は鉄の掟です。女など居よう筈が有りません……表向きには。
「故に、習い憶えた術の数々を女人向けに施す機会が、今まで全く御座いませんでした。」
「……え゛。」
ウバシは口を閉じ、代わりに目ん玉をひん剥きました。