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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第7章 婦人の悩みと殿方の困惑
「入門以来お会いした唯一の女人は、ロゼ姉様ですけれど……」
ジャナは中空を見て、少し考える素振りをしました。他にも顔を合わせた女人は居なくも有りませんが、出入りの業者や物売りや顧客等では、会った内には入りません。
「ロゼ姉様は、稀代の佳人で女神様で至宝で初々しい乙女の様な御心の持ち主でいらっしゃいます。滅多な事はお願い出来ません」
「あんた……妙なこと頼もうと思ったって事が知られただけで、即ビスカスに殺られるわよ……」
ぞくっと寒気を覚えたウバシは恐ろしいものを見る目でジャナを見ましたが、ジャナは頭を振りました。
「いいえ。むしろ、ビスカスさんはきっとよろk」
「……は?」
「いえ何でも。……決して害の有る術では御座いません。ただ、私が未だ不慣れですので、薔薇の花の様に繊細なロゼ姉様に傷でも付けたら困りますから……どんなに償っても、償い切れないでしょうし。ですので、お願いするとしても、もう少し先の方が宜しかろうと」
(いえ何でも、って……ビスカスはきっとよろk……って……害は無いけど不慣れで傷、って……!何企んでんのよこのムスメはぁあああああああああ!!)
それらの発言の内容も気になりますが、先程から妙に機嫌が良いのも、気になります。