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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第3章 少年の秘密
「私は……私がっ、他の入門希望者より劣っていたとは、思えないのですが……!!」
「まー!!自信満々ねー!……そういう子、大好きよっ!!」
ウバシは手を伸ばして、またわしわしと頭を撫でました。
「確かにそうね。あなたは、とても優秀だったわ。体格的にかなり不利な状況だったのに、観察力や判断力、敏捷性や優れた身体能力を存分に使って、体格差をひっくり返して勝利を収めた。……だけど」
ウバシは、悲しそうに首を振りました。
「残念ながら、女の子だってだけで、端っからお断りなの。ここは、女人禁制だもの」
哀れみを含んだ声音を耳にして、少女は俯きました。
「……それは……存じてます……」
「ほんっっっと、惜しいんだけどねえ……もんのすごい逸材だと思うわよ、アナタ。……アナタ、名前は?」
「ジャナと言います」
「それ、本名?」
ジャナは、男でも女でも通じる名です。偽名かもしれないと思い、確認したのです。
「はい。本当の名前です」
「ふうん……アナタのお家の生業って、暗殺?それとも、諜報?まさか、蜜罠??……普通のお家じゃ無いわよね?」
ウバシはテーブルに肘を付いて手を組み合わせ、甲の上に顎を乗せました。