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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第3章 少年の秘密
「……分かったわ。」
「えっ?!」
「入門を許せば、掟は破る事になるけれど……アナタにとっても私にとっても、この館にとっても世の中にとっても、想像付かない位利益が有りそうだからね……上手く行けば、だけど」
「お許し頂けるのですか?!ありがとうございます!!」
「……まだ早い。」
「え?」
「条件が、いくつか有るわ」
「……はい。」
ジャナは、居住まいを正しました。
「まず一つ。ここに居たかったら、男の子の振りを続けなさい」
ウバシはそこで一旦言葉を切って、ジャナの全身にざっと視線を走らせました。
「ここには、長く勤めてるそこそこの年の者も居るけど、修行中の門人の大半は、体力も精力も余りまくってる年頃よ。そんなとこで女の子だってバレたら、どうなると思う?避けられる危険は避けた方が利口よ。女人禁制は、伊達じゃないのよ」
「……はい。充分気をつけます」
確かにジャナは服の上から見ると胸が膨らんでいる様には見えません。顔が半分隠れていて目元が見えない事も有り、小柄で痩せっぽちな少年にしか見えません。女を感じさせる肉感的なところはまるで無いと言っても、大袈裟ではなさそうです。
入門審査をしていても、ウバシ以外は気付かなかったのです。油断さえしなければ、バレる心配は少ないでしょう。