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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第3章 少年の秘密
「……二つ目。女の子だからって、特別扱いはしないわ。修行はきちんとして貰う」
「望む所です」
実戦こそが、目的なのです。特別扱いされては、意味が有りません。
「三つ目、但し体調が悪い時は、遠慮しないで休む様に」
「体調?」
「月の物よ、月の物」
きょとんと聞き返したジャナに、ウバシは眉を顰めました。
「初潮もう来てんでしょ。そう言やアナタ幾つよ」
「……十七……です……来てます、初潮……」
十七は、下働き等でなく審査を受けて入門出来る最低の年です。そんなに入りたかったのね、と年を聞いたウバシは思いました。
「……けど、大丈夫です。軽い体質だし、秘伝の手当て法も有りますし」
「それでも、無理はダメ!!将来赤ちゃん産めなくなったら困るでしょ!!」
「……はい。」
それほど恥ずかしがるでもなく初潮だの月の物だの赤ちゃんだのと話すところは、さすが療術家と言った所でしょう。むしろウバシの方が赤面しそうです。
「四つ目よ。アナタは、ここの続きの間に住むように。他の弟子達と同じ部屋だと、月の物の時とか困るでしょ。……で、五つ目は、」
五つ目は、言いにくくて後回しになった条件でした。しかし、言いにくい事はさっさと言うに限ります。
「アナタ、私の御稚児さんになりなさい。」
ウバシはジャナから目を逸らし、大変な早口で言いました。