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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第3章 少年の秘密
蜜罠だの淫花だのといった隠語を知っていて躊躇いもなく口にするのに、初潮だの月のものだのを話題にしても顔を赤くもしないのに、御稚児さんはともかくお手付きが通じないなど、知識の偏りにも程が有ります。
「えーと……御稚児さんは年嵩の男性と若い男性が、お手付きは異性または同性が、性的な関係で結ばれている事……かしら……」
「ああ。まぐわうって事ですね。理解しました」
「まぐゎっ!?」
頷きながら何気なく呟いたジャナの言葉に、ウバシは目ん玉をひん剥きました。
若い娘が、しかもジャナの様ないとけない娘がそんな直截的な言葉を口にするなど、誰が想像したでしょう。御稚児だのお手付きだのと遠慮に遠慮を重ねて表現しようとしたウバシの努力と気遣いは、脳内でがらがらと音を立てて崩れ去りました。
「……ジャナ……」
「はい、師範さま。」
「その、まぐゎぅ……って、誰に聞いたの?」
「師匠です。性的な知識は、療術に必要ですので」
「……条件追加。それも、禁止。」
「え?それって?」
「アナタの療術上の性的知識を使った、諸々のあからさまな性的表現よ!!」
「え。何故ですか?」
「あのね?ここは、男の園よ?そんなところに不用意に性的表現を投げ込んだら、秩序が乱れまくる可能性が有るのよ!!」
「はあ……」
「良いこと?男の子の振りしてたって、ジャナは女の子なんだからね!!その辺は、乙女心を内に秘めてても肉体的には立派な男のワタシの言うことを、素直にお聞きっ!!」
「はい……あのう……」
「なによっ!!」
ジャナはやや不満げに渋々と、と言った顔で、ウバシにお伺いを立てました。