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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第4章 天女とじゃじゃ馬

「ちょ、兄さんっ!!口づけは、ダメっ!」
「は?」
「それに、もうローゼルぁお嬢様じゃありやせんからっ!!人の妻をお嬢様って呼ぶなぁ、止めて下せえ!!」
「るさい。お黙り、猿」

 公的な師範として挨拶していたウバシは、私的な兄弟子に戻りました。

「口づけなんてしてないでしょうが!恐れ多くも麗しいお手々をゴツいこの手に取らせて頂いちゃっただけじゃない!」
「う」
「こっちは、とっくに遠慮してるのよ?!無駄に騒ぐとすべすべの綺麗なお手々に口づけて、きゃーきゃー騒いで抱き締めて、柔らかくて美味しそうな魅惑の頬っぺに口づけさせて貰っちゃうわよ!!」
「……ぐっ……」

 ウバシが見た目に反した乙女心の持ち主だと言うことを、奥方は知っておりました。結婚後に弟弟子が一人でここを再訪した際の土産話の一部として、寝物語で告げられて居たのです。
 女同士も同然なのですから、抱き締められても口づけられても、奥方は喜ぶだけでしょう。騒ぎ立てるのは夫ばかりです。

「大体アンタが昔っから朝も昼も夜も無く、毎日毎時毎瞬、お嬢様お嬢様お嬢様お嬢様って、アタシに吹き込んだんじゃなーい!独占欲の強い猿は終いに飽きられて捨てられるわよ、文句が有るならとっとと一匹で山にお帰り!!…………お見苦しい所をお見せ致しました、奥様」

 奥方はウバシに手を取られながら、ころころと笑いました。

「ふふふ……ビスカスから聞いていた通りですのね」
「あら?この前こいつが奥様をお連れしないでのこのこ結婚報告に来た時の事ですか?」
「それもですけど、もっと前から……修行に行ってしまった時から、私、焼き餅焼いてましたの」
「えっ」
「焼き餅?」

 弟弟子はーービスカスは、驚いた顔で奥方を見ました。
 ウバシは「焼き餅」などという、絶世の美女が口にするには違和感の有り過ぎる言葉を、奥方に聞き返しました。
 奥方は答えを口にする前に、はにかんだ様に目を伏せて、柔らかく微笑みました。
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