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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第4章 天女とじゃじゃ馬
「…………お?」
ビスカスはかけられた締め技を防ぎながら、入って来たジャナを見て呟きました。
「兄さんの付き人ですかい?珍しいですねー?」
「ちょっと前に入った弟子のジャナよ」
ジャナにも奥方にも聞こえる様に紹介した後、ウバシはビスカスだけに聞こえる声の大きさで「後で話す」と短く囁きました。
「ジャナさんって仰るのね。可愛らしいお弟子さんですわね」
奥方に微笑まれたウバシは、技の体勢を解いてビスカスを離すと、にっこり笑い返しました。
「ジャナ、お茶をありがと。紹介するわ、こちらはビスカス。あなたの兄弟子よ。それから、」
お茶を並べ終えたジャナはウバシの指し示した方を見て、お客様にお辞儀をしようとしました。
……したのですが。
「……天女さまっ……?!」
奥方を目にしたジャナは、お辞儀を忘れて口をあんぐり開きました。