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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第4章 天女とじゃじゃ馬
「師範様。私、師範様とビスカスがお話しなさる間、ジャナさんとお喋りしても、宜しいですか?」
「もちろん!仕事の相談も有るから時間がかかるかもしれないし……そうしてくれると助かるわ。ジャナも、良いわよね」
「はいっ!嬉しいですっ!」
「じゃあ……私達はこっちのテーブルで話すわね。奥様、そちらの長椅子に移って頂いても宜しいかしら?」
「かしこまりました、ありがとうございます。……行きましょ、ジャナさん」
奥方はウバシに会釈すると、ジャナの手を取り、並んで長椅子に腰掛けました。意気投合した様で、なにやらこしょこしょと会話をしてはキャッキャうふふと戯れています。
「まー……あの子、いつもあんなに笑わないのにねー……」
「へえ……」
「まっ!!おでこ出してる!?」
「へ?」
「自分から目を見せることなんか、滅多に無いのよっ!!あー、やっぱり綺麗な目だわぁ……」
「へー……え?」
ジャナの山の湖の様に静かに澄んだ灰色の目は、銀の髪の色と似ていました。
(……ああ……だから、目が前髪に隠れると一層目立たなくなるんだわねー)
ウバシは、ぼんやりそう思いました。