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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第4章 天女とじゃじゃ馬
「あのね?分かる訳、無いでしょ?!アナタ、付いて無いんだから!!」
「はい。」
ウバシの言葉に、ジャナは重々しく頷きました。
「師範さまの仰る通り、私には玉は付いておりません」
「玉っ……!!」
「あ。玉は、禁止事項に入るのでしょうか?であれば睾が」
「良いっ!良い、玉で!!」
女の子に「睾丸」とずばりその物を言われるよりは、やんわりぼんやりぼかされている「玉」の方がまだマシです。
「ついでにお尋ねしますが、もう一つの男性器については、『竿』で宜しいでしょうか?または陰け」
「竿で良いから竿でっ!!……但しっ!!」
「はい?」
「ここ以外では、禁止っ!!余所でぺらぺら喋らない事っ!!」
「……師範さま……」
「何よっ」
ジャナは、過保護な母親に反論する娘の様に、軽く溜め息を吐きました。
「禁止されると、些か困ります。仲間内で金的への攻撃や防御について、議論する事が有るのです」
「うっ」
「そのような際でも、私は席を外す訳には参りません。私に痛みの実感が無くとも議論に参加する事で、対策を練るきっかけや引いては新しい療術のきっかけを、得る事が出来るかもしれないからです」
滔々と話しているジャナは、もはや「女の子」では有りません。
爛々と目を光らせた、立派な療術狂いの研究者です。