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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第4章 天女とじゃじゃ馬
「……ジャナ……あのね……」
「そうだ!師範さまっ!!」
「何っ?」
玉を夢見るほんわかした空気からキリッと真剣な姿勢に変わったジャナに釣られて、ウバシもピシッとその場に直りました。
「達人の中には玉を体の中に自在に仕舞う事が出来る者が居ると聞いたことが有るのですが、師範さ」
「出来ないわよっ!!!!」
「そうですか……見てみたかったのに……あ、まさか」
「なによっ、まだ何かあるのっ!?」
残念そうに「玉を仕舞うのを見てみたかった」と呟かれたのは聞かなかった事にして、ウバシはこめかみの血管が切れそうになりながら、ジャナに応えました。
「師範さまもしかしてもう玉も竿も無」
「こんのっ……大馬鹿もんがぁあああああ!!」
「うぎゃ!!」
純粋であるが故の、酷すぎる問い。
ウバシはジャナに皆まで言わせず、先代師範が降臨したかの如き渾身の拳骨をくれてやりました。
「勝手に決めんなちゃんと付いとるわぁあああああああああああっ!!」
そう、怒鳴った後。
ウバシは遂に、精魂共に尽き果てました。