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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第4章 天女とじゃじゃ馬
「兄さんが入門を許した目的の方は、どーなんですかい?療術的なもんは、技の役にゃあ立ってんですか?」
「そっちは、今のところ大成功」
ウバシはムスッと答えました。
「呼吸を止める技の掛け方や防ぎ方だけじゃなく、アタシしか出来なかった技の分析をしてもらったりも、してるしねえ……アンタも良くやる軽業みたいなヤツも、大男でも出来ない事は無いって分かったし。大柄な分ちょっとキレが悪いけど、やってみる事が出来るだけでも、快挙だわよ」
「へーえ!!」
ジャナが思ったより随分と優秀らしかったので、ビスカスは感心致しました。
「そりゃあ、ジャナぁすげぇ役に立ってるって事じゃねーですか!!」
「そーなのよ、すげーのよ……すげーから、頭痛の種でも、放り出せないのよう……!」
ビスカスは、ジャナを放り出せないのは利が有るからというだけでなく、ウバシの人の良さの表れでも有るのだろうと思いました。が、無駄に怒られそうなので、これも口には出しませんでした。
「……で。アンタに、折り入って頼みが有るんだけど。」
「俺に?何ですかい?」
ウバシは和気あいあいと話しているジャナとビスカスの奥方の方に目をやると、眉を顰めて小声で話し出しました。