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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第4章 天女とじゃじゃ馬
「ジャナの相談相手になって欲しいの」
「え」
「どっちかって言うと、アンタじゃなくて奥様へのお願いなんだけどね。ここって男ばっかりじゃない?アタシだって、肉体的には男だし……奥様がジャナと仲良くして下さったら、女同士じゃないと分からない相談事が出来るでしょ?」
ウバシは長椅子にちらりと目をやって、ふうっと溜め息を吐きました。
「それに、アンタも……体の大きさが似てるから、技も似てるじゃない?私や他のデカい奴等じゃ分からない事でも、相談に乗ってやったり出来るんじゃないかなって……」
「良いですよ。お安いご用でさあ。……ローゼルも、ジャナを気に入ったみてーですし……」
兄弟子同様ビスカスも楽しげな女達の方を眺めると、二つ返事で請け合いました。
「でも、女友達ぁもっと近所に居た方が良んじゃねーですかい?手紙ならともかく、俺達の街ぁどんなに急いだって、会うだけで一日仕事の場所ですぜ」
「あんまり近所でも、困るのよ。女人禁制は鉄の掟だもの。友達が近くに居たら、いくら口止めしたって、どこからばれるか分かりゃしない」
「あー、なるほど……それもそーですかねー……」
ビスカスは、どんと胸を叩きました。
「分かりやした。俺達夫婦に、お任せ下せえ」
「ほんとー!?助かるわあー!ありがとうっ!!」
嬉し涙を流さんばかりに喜ぶウバシを見ていると、ビスカスの心にふと悪戯心が湧きました。