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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第4章 天女とじゃじゃ馬
「しかし、兄さん、随分ジャナに肩入れしてやすねー?本当に、女もイケる様になったんじゃね゛っっっ!!!!」
わざとらしく疑わしげに呟いたビスカスの顎に、ウバシの拳が無言で炸裂しました。
長年の付き合いですから咄嗟に避けられましたが、うっかりしていたら顎を砕かれて、しばらくは奥方に口づけも出来ない体になって居たかもしれません。
「ビスカス?どうしたの?」
「ふが……」
騒ぎにきづいたのか、二人で居るのが淋しくなったのか。
ビスカスの顎が軽く砕かれかけたちょうどその時、奥方とジャナがテーブルの方に戻って参りました。
「ごめんなさいねー、奥様ぁ。コイツが余計な事言いやがったから、つい……しつこい男は嫌われるっつーの!」
「……しつこく……それは、お仕置きされても仕方有りませんわね……」
「ひでっ……」
毎夜ビスカスにしつこく攻められては息も絶え絶えにされている奥方は、眉を寄せ顔を赤らめて、うんうんと頷きました。
「師範様。ジャナちゃん、女の子でしたのね?お弟子さんて仰るから、最初はうっかり男の子かと思ってしまって……大変失礼致しました。……ごめんなさいね、ジャナちゃん」
「いいえっ……ローゼルしゃまっ……」
すっかり奥方に懐いて心酔してしまったらしいジャナは、頭を仔犬の様にぷるぷると振ると、舌足らずな返事を返して、はにかみました。