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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第4章 天女とじゃじゃ馬
「ほんとに、可愛いわっ!……妹みたい」
「妹でしゅかっ!?」
「気に障ったかしら?」
「いいえっ……嬉しいでしゅ!……あのっ!!」
「なあに?」
ジャナはもじもじしながら、奥方に言いました。
「えっと……いっぺんだけ、ローゼルお姉しゃまってお呼びしてみても、いいでしゅか……?」
「まあ……!」
「えっ」
奥方は蕩ける様な笑顔をジャナに向けましたが、夫のビスカスの方は、「お姉様」という単語にぎくりと致しました。
(ちょ……御姉様の次は、御妹様かよ……!勘弁して下せえ……!!)
奥方には、血の繋がりは無いものの「お姉様」と呼んでいる、妬けてしまう程仲の良いご婦人が居るのです。今度はジャナに「お姉様」と呼ばせるなどとは、奥方は何人姉妹を作れば気が済むのでしょう。
ビスカスがやきもきしているのに気付きもせずに、奥方はジャナににっこり微笑みました。
「嬉しいわ、もちろんよ!そうね……ローゼルお姉様じゃなくて、ロゼ姉様って呼んでみて?」
「…ろっ…ロゼねえしゃま……?」
「……かっわっいいぃぃっっっ!!」
奥方は、ジャナをぎゅーっと抱き締めました。ジャナも、嬉しそうに抱き付いています。