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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第6章 男装の弟子、女装する
「もうじき、余興の踊りですよ?俺ぁ踊んねーかもしれねぇですが、お客様方も、踊りやすんで……せっかくの機会なんですから、旨いもんでも飲み食いしながら、楽しくご覧になって下せぇな……物騒な話は、置いといて!」
「……踊り?」
ジャナはビスカスの言葉に、目を輝かせました。
「先程ロゼ姉様とビスカスさんがなさってた様なダンスが、また有るんですかっ?」
「ああ。今度は俺達だけじゃねーぞ?誰でも踊れるってお時間だ」
「それ、私も出来ますか?」
「え?」
ビスカスとウバシは、ジャナの言葉に目を丸くしました。
「踊りのダンス、誰でも踊って良いのなら、私、やってみたいです!」
「ジャナ、ちょっと待って?」
「師範さま、お許しを頂けませんか?私、出来る気がするんです!」
「でも、アナタっ……」
ジャナは、この地の生まれでは有りません。当然、踊りも、先程見たのが初めてです。それなのに熱を込めて訴えて来るジャナに、ウバシはたじたじとなりました。
「うん。出来やすよ、きっと」
「ビスカスっ?!」
どう答えたものか思案していると、花婿がひょうひょうと言いました。
「ジャナなら、出来んでしょ。踊りじゃなくて、組み手の大人しいのだとでも思や良んですから……ジャナ、俺と踊ってみっか?」
ビスカスの言葉に、ウバシは目を剥きました。