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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第6章 男装の弟子、女装する

 ウバシがジャナの手を取って踊りの始まりを待つ人々に加わると、周りの注目が集まりました。

 複数で踊る踊りには、適切な体格差というものが有ります。この地の踊りも、例外では有りません。

(……そう言えば、ビスカスのお義兄様が言ってたっけねえ)

 ウバシは式で説明された事を、今更の様に思い出しました。

   *

「……ビスカスは、ロゼと踊るには、本来規格外なのですよ」
「規格外?」

「ええ。男の方が少し身長が高い方が良いとされているのですが、あの二人は、ロゼの方が背が高いのです。子どもの頃は……ちょうどビスカスがそちらに修行に行く頃までは、ビスカスの方が高かったのですが……帰ってきた頃には、もう大分差が無くなっていて、やがて追い越されました」
「なるほど……」

 確かに、ビスカスは小柄な男として入門して来て、在籍中にもほとんど身長が伸びませんでした。ローゼルの背がその間に伸びたのならば、再会したとき二人ともさぞ驚いた事でしょう。

「背の高さが逆転している者同士が踊って良いとされているのは、親族か婚約者か夫婦だけです。あの二人は踊り手として非常に優れた組み合わせでしたが、二人で踊ることは、長い間叶いませんでした。……やっとまた堂々と踊れる様になる訳です」

「へえ……男が女より小さいと駄目……男の方が大きすぎても駄目って事ですか?」
「ええ……でも、男の方が小さい時ほどには問題にはされませんね。踊りやすく見た目も良い身長差が有るという、その位の認識です。……そうですね、女の頭が男の目の高さから、せいぜい顎くらいまでの間が望ましいでしょうか」
「ふうん……伝統ってのも、大変なんですねー……」

 その時、ちょうど花嫁花婿が手に手を取って入って来たので、説明はそこで終わりになりました。

   *

(さっき聞いてた時は、自分が踊るなんて、思わなかったけど……)

 ジャナの頭は、ウバシの顎よりも下にあります。差は規格より大きいですが、逆転では無いので、止められることは無いでしょう。
 周りのざわめきは、気にしない事にしました。

(ま、良いわよね、お祝いの余興だものねっ!……あら?)

 自分で自分に頷きながらジャナを見下ろしたウバシは、ふとある事に気が付きました。
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