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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第6章 男装の弟子、女装する
「はい?ビスカスさん」
「ジャナに、頼みが有んだけど」
「あら、なあに?」
「なんですか?」
ビスカスの言葉に、師弟は同時に返事をしました。
「今夜ローゼルを兄さんの代わりに、ジャナの客間に泊めてやってくれねーかな?」
「え?」
ビスカスはジャナの方から、ウバシの方に向き直りました。
「この前お伺いした時に、ローゼルが、ジャナと姉妹みてぇに一緒に寝てみたかったって、言ってたんですよ。女人禁制だから無理だって、諦めさせたんですけど……ここなら、叶いますでしょ」
「わあ!……あ、でも」
ビスカスの言葉に一緒目を輝かせたジャナは、すぐに顔を曇らせました。
「……今夜は、初夜ではないのですか?」
「名目上はな。けど、本当の初夜は、とっくに終わっちまってっからなー……ねー?」
同意を求められたローゼルは、頬を染めると小さく「ばかっ!」と言いました。
「……そんな事をしても、良いのでしょうか……?」
「もちろんよ。またと無い機会ですもの。ジャナが良ければ、ぜひそうお願い出来たら嬉しいわ」
ローゼルはまだ戸惑っているジャナを見て、安心させる様に、柔らかく微笑みました。