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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第6章 男装の弟子、女装する

「奥様がそう仰って下さってるなら、お言葉に甘えてみる?……女の子としての話や相談も、帰ったらしばらく出来ないでしょうしね」

 思いも掛けぬ申し出でしたが、考えてみるとウバシとジャナには悪い話ではありません。

 帰ったらしばらくは、ローゼルに会いには来られないでしょう。結婚で生活も変わるでしょうから、ローゼルが気軽に来ることも難しくなりそうです。
 手紙のやり取りは出来るでしょうが、顔を合わせて話をする機会は、当分無いかもしれません。

 新婚夫婦の初夜を邪魔しては……というのが唯一の気掛かりでしたが、本人たちが良いと言うなら、特に問題は無いでしょう。

「とは言え、仕事もして貰うからな?」

 まだ迷っている様子のジャナに、ビスカスが真面目な顔で言いました。

「二人で寝てる間にローゼルにもし何か有ったら、護衛の役目は宜しく頼むぞ」
「はい、勿論です!」
「良し。なら、安心だ!」

 ジャナに頷くと、ビスカスはにかっと笑いました。
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