この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第6章 男装の弟子、女装する

「だって、師範様のお眼鏡に適って、女の子の身で入門を果たした、ビスカスの妹弟子だもの。私にとっても、妹よ?」
「ロゼ姉様……」

 ジャナはローゼルの言葉に、思わず涙ぐみました。

 ジャナの両親は亡くなっておりますし、兄弟も居りません。療術の師匠と治療処に関わる人々が、今までジャナの家族代わりでした。闘人館にーーウバシに受け入れられてからは、そこでも家族同様の師や先輩や仲間達が増えました。ただ、今は性別を偽っているため、信頼している仲間を騙しているという後ろめたさは、常にどこかに在りました。

 そんな中で、自分が女で有ることを知っても変わりなく接してくれて、弟弟子でも妹弟子でも有ると言ってくれたビスカスとローゼルは、ジャナにとっては一緒に居て心からほっと出来る、特別な二人であったのです。
 その、大事なローゼルに、本当の妹同然だと言って貰って、ジャナは胸が一杯になりました。

「……ビスカスが修行に行っていた頃に、師範様には、本当にお世話になったみたいなの。秘密にしないといけない事も沢山有る場所だから、全部は話してくれないし、はっきり感謝を口にするような人でもないから、私がそう思っているというだけなのだけど……ジャナだけでなく、そんな師範様のことも、私はお兄……お姉様みたいに思えるのよ」
「はい。師範さまは私にとっても、心から信頼する、尊敬出来る方です。師と仰ぐのに相応しい……いえ、勿体ない様な方に出会えて、私は本当に幸です」

 熱を込めて師を賞賛するジャナを見て、ローゼルは微かに苦笑しました。
 
「……ジャナ?」
「はい?」
「師範様の事を、お慕いして居るの?」
「はい。本当に素晴らしい師匠だと思っています。療術の師匠と同じ位か、それ以上に、尊敬しています」
「そう……」

(……それは、恋ではないのでしょうね……)

 ローゼルはジャナとウバシが踊った様を思い出しながら、複雑な気持ちでそう思いましたが、口には出しませんでした。

 姉妹二人はそれからしばらくたわいもないお喋りを楽しむと、暖かく静かで安らかな眠りに落ちて行きました。
/118ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ