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秘密の師範と内緒の愛弟子(ビスカスさんのサイドストーリー)
第6章 男装の弟子、女装する
「ビスカスさんに出来たのですから、私にも出来ると思うのです。少なくとも、元々女なのですから、女に見えることは確実です」
「……そりゃあ、そうだけど……」
「……ですが!」
ウバシの反論が弱くなったところで、ジャナの言葉が、突然方向を変えました。
「ですが、師範さま。修行中、私の心は、男なのです」
「はあ?」
「師範さま。師範さまは、未だ竿も玉も付いてらっしゃるそうですが」
「竿玉言うなっ!!」
「すみません。でも、心は乙女でいらっしゃるのでしょう?」
「……まあ、ね……」
「それならば、私も同じです。」
ジャナは拳を握って力説しました。
「師範さまは心は乙女で、体は男。それで、普段は男装なさっている。私は、心は男で、体は女。普段は男装していますが、師範さまが男装なさっているのですから、私が女装をしても、おかしくは無い筈です」
「うっ……」
ウバシはなんと答えて良いものか、言葉に詰まりました。だんだん、ジャナの言う通りの様な気がして来たのです。
普段は口数の少ないジャナですが、議論になると滔々と語ります。その、口が上手い所も、ビスカスを彷彿とさせました。