この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
プロポーズ体験売り出します
第3章 最低一つは売れるはずの商品作り
*
週明けの月曜日。午前10時。
いよいよまり恵ちゃんと俺で作った商品、プロポーズ体験の販売が開始される。
「if(イフ)」という名前とともに「ハッピーサプライズ」の名が
記されているのは社長からの半ば命令だったらしい。
リンクははらないとまり恵ちゃんは言っていたが、
俺たちのifは「会社」ではない。あくまでも
ハッピーサプライズという会社の一事業部という扱いなわけだから、
それは当然のことだろう。
「ここまできたら細かい事気にしてるより売ることに神経を注がなきゃね。
ね、今何分?」
まり恵ちゃんはパソコンの画面から目を離さず手のひらを緊張気味に動かしている。
「9時58分・・・あ、今59分になりましたよ。いよいよカウントダウン段階か」
腕時計の秒針と電話の時報の両方で確認しながらその瞬間を待つ。
「4、3、2、1、はいっ!」