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プロポーズ体験売り出します
第4章 一人目のお客様
芦田弘恵が帰った後、まり恵ちゃんは大きいけれどひっそりとした溜息をついた。
「結婚って何なのかしらね。
簡単にする人もいればすぐ近くにあるのになかなか手を出さないで
じっと考える人もいる・・
でも求められたいって気持ちは誰しもが抱くのよね」
まるで自分自身に言い聞かせるようなまり恵ちゃんのこわばった声が
俺の耳の中で渦を巻く。もしかしたらまり恵ちゃんも
自身の恋に何らかの不安を抱えているのかもしれない。
・・・どうかまり恵ちゃんの恋は幸せでありますように・・・
無駄な心配かもしれない祈りを胸に、
テーブルの上に残された食器を片付けた。