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プロポーズ体験売り出します
第4章 一人目のお客様
その考えはうまくハマったようで、弘恵は
「マジでそこ肝心なのよね、我々中年にとっては」と崩れた笑みに流れる涙を拭っていた。
よかった、と胸をなでおろし、初の大仕事を終えた安ど感に砂浜の上にへたり込んだ。
「あ~よかったぁ」
半ば放心状態の俺の横に弘恵も腰を下ろし、グッジョブ!と言いながら
俺の背中を叩いて出来を褒めてくれた。
「ぐっときたよ、今のセリフ。これ、お二人で考えたの?」
「いえ、俺一人で考えました。上司曰く、男がプロポーズするんだから
男の気持ちを前面に出すためにもキミ一人で考えてみてって、半ば命令でしたよ」
あの時はすげえ無茶ぶりと恨めしく思ったけど、結果を見ると
上司・まり恵ちゃんの考え方は的を得ていたわけだ。
「太陽がだんだん水平線に近づいてきた」
立ち上がって砂を払う弘恵が指を差す。
俺も立ち上がって弘恵の隣で夕日に目を細める。
きれいだね、と彼女の耳の横で囁くようにつぶやくと、
お世辞でも嬉しい!って声を弾ませながらまた俺の背中を叩いた。
夕日の事を言ったつもりなんだけど、まあ彼女も確かにきれいだし、
喜んでいるんだから俺も照れる演技で最後を締めくくることにした。
「マジでそこ肝心なのよね、我々中年にとっては」と崩れた笑みに流れる涙を拭っていた。
よかった、と胸をなでおろし、初の大仕事を終えた安ど感に砂浜の上にへたり込んだ。
「あ~よかったぁ」
半ば放心状態の俺の横に弘恵も腰を下ろし、グッジョブ!と言いながら
俺の背中を叩いて出来を褒めてくれた。
「ぐっときたよ、今のセリフ。これ、お二人で考えたの?」
「いえ、俺一人で考えました。上司曰く、男がプロポーズするんだから
男の気持ちを前面に出すためにもキミ一人で考えてみてって、半ば命令でしたよ」
あの時はすげえ無茶ぶりと恨めしく思ったけど、結果を見ると
上司・まり恵ちゃんの考え方は的を得ていたわけだ。
「太陽がだんだん水平線に近づいてきた」
立ち上がって砂を払う弘恵が指を差す。
俺も立ち上がって弘恵の隣で夕日に目を細める。
きれいだね、と彼女の耳の横で囁くようにつぶやくと、
お世辞でも嬉しい!って声を弾ませながらまた俺の背中を叩いた。
夕日の事を言ったつもりなんだけど、まあ彼女も確かにきれいだし、
喜んでいるんだから俺も照れる演技で最後を締めくくることにした。