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プロポーズ体験売り出します
第5章 二人目のお客様
俺の質問を聞き終えてから居ずまいを直す絹田彩加。
答えるのかと思いきや、ちらりと視線を送ったクッキーをつまみ上げ、
いただいてもいい?とことわってから口に放り込む。
咀嚼の後にはコーヒーを、しっかり喉に流し込んでから話を再開した。
「おっしゃる通り、まだまだこれからって年齢よね、世間一般では。
でもさ、若いからって先があるって、保証できる?」
え?と声がハモった。
俺だけじゃなくまり恵ちゃんも同様に疑問の声を上げた。
「人の一生なんて完全に決められているものじゃあないでしょ?
明日は何があるかわからない。生きてるかどうかだってわかんない。
そのうち経験できるかも、なんて楽観的に考えている人がほとんどだろうけど、
ほんとにそのうちがあるのかわかんないじゃん。
やりたい、やれる、と思った時にやっておかないと。
できないまま一生がプチって終わっちゃったらさ、後悔すると思うんだよねぇ」