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第5章 二人目のお客様
なんて的を得た答えなんだ。彼女の言う通りだ。

人の人生、内容だけじゃない、その時間だって決められているわけじゃない。
命の時間、って大げさだけどそれの事だよな?
こうやって元気に毎日生きていられるって、保証されているわけじゃないんだ。
もしかしたら明日車にひかれて命を落とすかもしれない。
病気になって長く生きられない運命になるかもしれない。
すべては「かも」だけど、
その「かも」はまさに現実的な未来なのだ。

絹田彩加は続ける。

「結婚できるかどうかわからない。その前に愛し合う恋人ができるかどうかわからない。
 それよりなにより10年後5年後、ううん、1年後に生きているかわからない。
 だから今、できるしやれる、やりたいと思った時に
 やってみたいことをやっておきたいの」

真剣な彩加のまなざし。
その真剣さに気持ちを寄せるのかと思いきや、まり恵ちゃんの瞳は曇り、
納得いかない風に眉間に皺を寄せた。
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