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プロポーズ体験売り出します
第5章 二人目のお客様
「お若いのにそんな・・・なんていうか、ネガティブな考えをお持ちだなんて。
 あの、気に障ったらごめんなさい、何か過去に嫌なことでもあったんですか?」

ああ、なるほど。
例えばいじめにあっていたとか受験に失敗したとか家庭でうまくいっていないとか、
そういう過去が根底にあるとネガティブ思考になったりするかもな。

でも彩加は手を叩いて笑い出し、考えすぎだって!と体を揺すって笑い続けた。

「別に、なにもないよ。お姉さん深読みしすぎ!それよりもできるんだよね?体験」

これ以上同じことの繰り返しを避けるかのように彩加は本題に戻した。
もちろん、プロポーズ体験は購入していただく。
どんな理由であろうと、それはお客の問題で我々には関係のないことなんだから。

「もちろんです。ではさっそく絹田様のご要望をお伺いしましょうね」

やっと軌道修正して、商談へと進んでいく。
この不思議な女・絹田彩加に、上手に擬似プロポーズできるかどうか、
少々不安がちらつく俺だった。


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