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プロポーズ体験売り出します
第5章 二人目のお客様
彩加は座った途端にまたすっと立ち上がり、横にあった自販機の前に行き、
コーヒーでいい?と声を張る。振り返ると俺の答えも聞かないうちに
コーヒーのボタンを押している。続けてもう一つ同じボタンを押す。
両手に缶を握りしめ、戻ってくると俺の背中をどついた。
「ね?先に言ってたらまともに商売できなかったでしょ?
そりゃそーだよね、誰だって引くよね。だから本当の理由は言わなかった」
椅子に座ったまま体を伸ばし、手と足をゆらゆらと揺らし、笑顔を作って見せる
彩加の姿は、自然の摂理の中のほんの一コマのように装って見せているけど、
その自然に期限をつけられるなんて、なんて残酷なんだ。
でもその残酷から目を背けるだけではいけない。
そう自分を奮い立たせてやっと彩加に向き合った。
「余命宣告ってことは病気、なんだよね?なんの病気なの?」
「まあ簡単に言えば癌」
その先、なに癌か聞いたところでこのショックが消えるわけじゃない。
だから細かいことは聞かずにおいた。
コーヒーでいい?と声を張る。振り返ると俺の答えも聞かないうちに
コーヒーのボタンを押している。続けてもう一つ同じボタンを押す。
両手に缶を握りしめ、戻ってくると俺の背中をどついた。
「ね?先に言ってたらまともに商売できなかったでしょ?
そりゃそーだよね、誰だって引くよね。だから本当の理由は言わなかった」
椅子に座ったまま体を伸ばし、手と足をゆらゆらと揺らし、笑顔を作って見せる
彩加の姿は、自然の摂理の中のほんの一コマのように装って見せているけど、
その自然に期限をつけられるなんて、なんて残酷なんだ。
でもその残酷から目を背けるだけではいけない。
そう自分を奮い立たせてやっと彩加に向き合った。
「余命宣告ってことは病気、なんだよね?なんの病気なの?」
「まあ簡単に言えば癌」
その先、なに癌か聞いたところでこのショックが消えるわけじゃない。
だから細かいことは聞かずにおいた。