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プロポーズ体験売り出します
第6章 いよいよ、3番目のお客様
「その様子じゃあ聞いたみたいね。他の人には言わないでって、口止めされた?」

「あ、いえ、そういうわけでもなく・・」

珍しい。この俺がうろたえるなんて。
だけど相手が相手だから・・
相手っていうのはもちろん水神さんの相手のこと。
わが社の社長がお客様の不倫のお相手でございます、なんて
正直に言っていいものなのか、迷うけど・・・

「言います。彼女が自分から喋ったんだからいっか、別に、と
 割り切ることにします。水神さんの不倫相手、うちの社長でした」

俺の言葉にまり恵ちゃんは絶対ぶっ飛ぶ。
今まで俺に見せたことのないような間が抜けた顔を見せるはずだ。
そう期待したのに、まるで知っていたかのように平坦な表情でかすかに肯くだけだった。
期待外れ。
なんだ、こんなにあっさりしてるんだったら勿体つけずに
事務的に棒読みすればよかったぜ。

「もしかして、知ってました?」
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