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プロポーズ体験売り出します
第6章 いよいよ、3番目のお客様
「ねえ、まずはランチ食べよっか。よさげな店何件か調べたんだけどさ」

毎日通っている表参道でも行ったことのない店はたくさんある。
あまり大げさな演出はいらないって言ったって、食事する店ぐらいは
洒落たムードの店がいい。
そう思ってこの一週間この界隈の飲食店を片っ端からネット検索した。
絞りに絞った5件の場所を実際に足を運んで確認済み。
どの店を選ばれてもそつなく案内できる。
そう自信たっぷりで提案したのに、
水神さんはまったくの見当違いの店をリクエストしてきた。

「青学の向かい側にある讃岐うどんの店!」

「えー?」

それってチェーンのセルフサービスのうどん屋じゃん。
安くて美味しいし俺もよくいくけど、なんでよりによって今なわけ?
それに俺の努力、まったくの無駄、水の泡じゃないか。

「あのさ、今日はプロポーズされるんだよ?体験だけど。
 それなのにセルフのうどん屋ってどゆこと?っていうかなんでそこなの?」
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