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プロポーズ体験売り出します
第6章 いよいよ、3番目のお客様


 食事を済ませてほんのわずかな時間おなかを落ち着かせると早々に店を出た。
次なる行動はまだ水神さんには話していない。
当初の計画を変更して、俺は水神さんを地下鉄表参道駅へと導いた。

「どこへ連れて行ってくれるの?」

その問いかけにはニヤリと笑っただけで、不思議そうに見上げてくる
水神さんの手を引きながら地下鉄の巻き起こす風に揺らされる髪を何度もかきあげた。


二回ほど地下鉄を乗り換えて、地上に出てから体をのけぞるようにして
今日の舞台を見上げた。

「うわぁ・・こうやって下から見上げるの、初めてかも。
 ううん、来るのが初めてだわ」

首を90度に折り曲げての微笑みはちょっと苦しそうにも見えるけど、
その瞳がきらきらと輝いて見えることに、
俺のチョイスが成功だったと自信を持つことができた。
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