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蝶々と甘い蜜。
第6章 蝶が羽ばたくとき
三島がパーティーの時につけていた
青いバラの香りがどこからかする。
これは夢なの?現実なの?
でも、目の前は真っ暗で何も見えない。
香りしかしないけど、それでもさっきよりは怖くない。
三島がそばにいてくれるような気がしたから……


「あ……」


ゆっくり瞳を開けると
天井には豪華なシャンデリアがあって
上品だけどカラフルな洋服がたくさん並んでいた。


「あ、気づいた?」


大人の色気が溢れているショートカット
インナーは白でネイビーのパンツスーツに
オレンジかかった赤い口紅が似合う色白で小柄な女性が
心配そうに駆け寄ってきてくれた。


「あなた、あそこの道路で倒れていたのよ。」


「あの……」


「身体無理して起こさなくて大丈夫。今お店お休みの時間だったからお客さんもいないし。」


寝かされていたのは真っ黒なソファだったけど
きっと値段が高いのだろう、全く身体が痛くない。


「温かい飲み物と冷たい飲み物どっちがいい?」


「あ、温かい飲み物で……すいません、ありがとうございます。」
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