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蝶々と甘い蜜。
第7章 歯車が狂うとき
「お金って……そんな…」
「あなただってお金もらってきたでしょ?」
「それは……」
言われてみればぐーの音も出ない。私だって三島からお金をもらって今の関係を続けてきたのだ。お金をもらわずに、三島といきなりこんな契約をしたのだろうか…。
「別に悪いことじゃないわ。その代わり私は色んな物を犠牲にしてきたんだから…。」
「結衣姉!もうやめようよ、こんなの……みんな傷つくだけだよ。」
「福田さん……!」
今にも泣き出しそうな表情で訴えてくる福田さんをチラッと見て、奥様の表情が一瞬変わったのが分かった。唇を軽く噛んで、スッと立ち上がった。
「私は行くから。じゃあね。」
「結衣姉!素直になってよ、お願いだよ……」
福田さんの声に奥様は立ち止ったけど、振り向かずにそのまま行ってしまった。三島の元へ。
「福田さん……」
大きな体の福田さんを支えるのは無理だけど、それでも抱きしめたいと思った。奥様の前では、福田さんはまるで少年のようで、母親に置いて行かれた少年のように目には涙が溜まっていた。
「あなただってお金もらってきたでしょ?」
「それは……」
言われてみればぐーの音も出ない。私だって三島からお金をもらって今の関係を続けてきたのだ。お金をもらわずに、三島といきなりこんな契約をしたのだろうか…。
「別に悪いことじゃないわ。その代わり私は色んな物を犠牲にしてきたんだから…。」
「結衣姉!もうやめようよ、こんなの……みんな傷つくだけだよ。」
「福田さん……!」
今にも泣き出しそうな表情で訴えてくる福田さんをチラッと見て、奥様の表情が一瞬変わったのが分かった。唇を軽く噛んで、スッと立ち上がった。
「私は行くから。じゃあね。」
「結衣姉!素直になってよ、お願いだよ……」
福田さんの声に奥様は立ち止ったけど、振り向かずにそのまま行ってしまった。三島の元へ。
「福田さん……」
大きな体の福田さんを支えるのは無理だけど、それでも抱きしめたいと思った。奥様の前では、福田さんはまるで少年のようで、母親に置いて行かれた少年のように目には涙が溜まっていた。