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蝶々と甘い蜜。
第8章 【三島編】愛する人
大介へ


私は明日結婚します。
あなたもびっくりするような相手の人です。
私のことも大切にしてくれます。
だけど、あなたのことをふと思い出してしまう自分がいます。


私たち、ずっと一緒にいたよね。
当たり前のようにずっと隣に…。
だから、卒業式の日にあなたに告白されて
恥ずかしくて、あなたの手を振り切ってしまった。


なんで、大切なあなたの手を振り払ってしまったのか。
年月が経っても忘れません。
あの日のことはいつまでも色あせることなく鮮明に覚えています。


あの日、手を繋いで一緒に帰ったら
あなたは生きていたのかもしれません。
そう思うと後悔しかないのです。


彼のことは好きです。
だけど、あなたのことは、言葉では表現できません。
あなたへの思いを秘めて結婚することが怖くてたまりません。
だから、この手紙を書いています。


明日、結婚する彼の手は決して離しません。
そして、将来、子供ができたら、20歳になるまで離さない。
それが、あなたへの懺悔になるのかわかりませんが、
大切な人の手は離しません。
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