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蝶々と甘い蜜。
第10章 切ない想い
「……それだけの強い思いがあるのであれば、ご自分で三島に伝えてみてはいかがですか?」


「だけど……」


「会ったら揺らいでしまいますか?それはそれでいいのでは?」


「奥様が戻ってきた以上、もう見込みはないじゃないですか……」


「あなたの三島への愛は諦めることができる程度なのですか?あなたはそれでいいんですか?」


「甲斐さん……」


「どうせ、嫌われてもいいと思うのであれば、今のあなたのありのままの姿を三島に見せてもいいと……思います。」


「どうしてそんなに私のことを……?」


「自分の嫌なところを見せたくない……そして、相手のことを想うばかり空回りしている人を知っているので。」


テーブルに並べていたお札を甲斐は淡々とバッグに詰めながら沈黙は流れた。メガネをかけている甲斐の目はどこか寂しそうにも見えた。


「お金は三島に返しておきますが、ご自分の気持ちはご自分で伝えてください。では、これで失礼いたします。」


「甲斐さん!今までありがとうございました。」
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