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蝶々と甘い蜜。
第10章 切ない想い
「嘘……」


テレビのニュースには、三島が交通事故に遭ったというニュースが流れていた。現場からのレポートとニュースには粉々に散った車の破片に、血も道路に流れていた。


「嘘……嘘っ……」


「大丈夫?宮園さん!俺、今からそっちに行くよ!」


欲しいものが、もう手に入らないと分かった瞬間にならないと
人間は屁理屈ばかり並べて
自分の気持ちに素直になれないのかもしれない。


もう、本当に、どんなに願っても会えないの……?



ねぇ、三島さん。
私の名前じゃなくてもいいから
結衣って呼んで。


冷たい瞳の向こうにある
優しい微笑みをするあなたのことが大好きで
愛おしそうに大事に結衣って名前を呼ぶあなたの声を何度も聞きたくて
馬鹿げている関係なのはわかっていたけど
あなたに会っていたの。

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