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蝶々と甘い蜜。
第10章 切ない想い
病院に着いたら想像以上のマスコミがいて、三島は世間からすると注目されているんだと、少し怖くなった。
だけど、ここまできて引き下がるわけには行かない。
今回の事故のことで分かった。
自分で思っている以上に私の中には三島がいる。


甲斐に言われたとおり裏のほうへ回ると
表とは打って変わって静かで暗くて
逆に不気味だった。


「甲斐さん、遅いな……」


電話をしたときは待っているように言われたが
あまりの静けさに怖くなり
そっとドアから中へ入った。
ただ、中に入ると外も不気味だったが
病院というのもあり中も不気味だった。


「甲斐さん……?」


遠くから甲斐っぽい声が聞こえてきて
恐る恐る声が聞こえるほうへ近づいていく。


「どうして戻って来られたんですか?」


薄暗い病室の廊下にあるソファで
よく見ると甲斐と三島の奥様が座って話をしていた。
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