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蝶々と甘い蜜。
第10章 切ない想い
「三島さん…?」
そうっと部屋に入ると病院とは思えないぐらい広く、豪華なツボに綺麗なお花も飾られている。ベッドにいる三島は目を閉じている。寝ているのだろうか…。
起こしてしまうのが可哀想で、伝えたい言葉はたくさんあるが、唾と一緒に呑み込んだ。
ねぇ、三島さん……
あなたのこと愛しているの。
あなたのことを愛しているから
ずっと、愛しているって言葉にしなかった。
この気持ちに嘘はない。
「結衣……」
「三島さん…?」
ゆっくりと長い睫の瞼が開いていく。
あぁ……よかった、本当によかった。