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蝶々と甘い蜜。
第10章 切ない想い
「三島さんのことをお金しか考えていない奥様から引き下がれません!」
自分でも何てことを言っているんだろうと思った。
結婚している奥様に世間からすれば不倫女がこんなこと言える立場ではない。
「お金じゃないって言ったら…?」
「え?」
「お金のためじゃないって言ったら、あなたは引き下がるの?」
「やっぱり奥様……」
「そうよ…甲斐とこうちゃんの言う通りよ。私は三島のことが好きだから戻ってきたの。」
「お父様が亡くなったことと関係があるんですね。」
甲斐がポツリとつぶやき、奥様は静かに頷いた。
「事業に失敗してから、ずっと借金とギャンブルを繰り返す父親で……結婚ことも黙っていた。だけど、あの三島との結婚だもの。週刊誌やテレビに私が出てしまって。父が三島だけじゃない、グループの会社や親戚にお金をせびってしまって……」
「私は、奥様が親族の皆様にいびられているのが耐えられなくなったのかと……」
確かにずっとあんな風に親族に言われ続けられたら……
私は耐えられないと思う。
「それも……正直ある。あの頃、ずっと甲斐に愚痴っていたわね。ずっと…甲斐はあの人より話を聞いてくれた。」
自分でも何てことを言っているんだろうと思った。
結婚している奥様に世間からすれば不倫女がこんなこと言える立場ではない。
「お金じゃないって言ったら…?」
「え?」
「お金のためじゃないって言ったら、あなたは引き下がるの?」
「やっぱり奥様……」
「そうよ…甲斐とこうちゃんの言う通りよ。私は三島のことが好きだから戻ってきたの。」
「お父様が亡くなったことと関係があるんですね。」
甲斐がポツリとつぶやき、奥様は静かに頷いた。
「事業に失敗してから、ずっと借金とギャンブルを繰り返す父親で……結婚ことも黙っていた。だけど、あの三島との結婚だもの。週刊誌やテレビに私が出てしまって。父が三島だけじゃない、グループの会社や親戚にお金をせびってしまって……」
「私は、奥様が親族の皆様にいびられているのが耐えられなくなったのかと……」
確かにずっとあんな風に親族に言われ続けられたら……
私は耐えられないと思う。
「それも……正直ある。あの頃、ずっと甲斐に愚痴っていたわね。ずっと…甲斐はあの人より話を聞いてくれた。」