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第10章 切ない想い

「奥様。」


「甲斐……もう、奥様じゃないわよ。」


「結衣様。」


「え？様つけなくていいわよ。あなたは私の秘書でもなんでもないのだから。」


「私はさきほど秘書をクビになりました。」


「え……？嘘でしょう？」


「代表が、自分も自由に生きるから、私にも自由に生きろと。」


「そう……」


「奥様についていきます。三島で秘書として働いていたので、お役に立てるかと……」


「……私を恨んでいないの？私、あなたの気持ちを利用していたのよ。」


「……結衣様のお役に立てたならそれで満足です。」


「そんなんじゃ……悪い女に摑まるわよ。」


「そうですね、すでに摑まってますね。」


「ふふ、何それ～！」