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蝶々と甘い蜜。
第11章 青いバラ
「青いバラは私の大切な人のイメージで……もう彼には会うのは不可能なので、青いバラの花言葉と一緒だなって……」
「でも、今は“夢かなう”の意味もありますよね。」
「はい、そうです。お詳しいんです……ね。」
顔を上げた瞬間、息が、時間が止まったと思った。
ずっと会いたいと願っていた人が
今目の前にいるだなんて……。
「三島さん……?」
「結衣……」
「どうして……っ」
言いたいこと、聞きたいこともたくさんあったけど
言葉より涙が出てきて……話せなかった。
「私にとっても青いバラは結衣だった。」
「え……?」
「こんな風に会うのは不可能だと……青いバラが私たちを引き合わせてくれたから、だから、この研究所に興味を持って今日はきたんだ。」
私も年を取ったけど
三島も年を取っていた。
もう50代……昔の三島では想像つかなかっただろう。
三島の瞳にはうっすらと涙が浮かんでいる。
あの冷たそうな瞳はもうない。
目尻にも皺があって
髪の毛もだいぶグレーになっている。
「結衣……」
でも、名前を愛おしそうに呼ぶ声と
ちょっと冷たいこの指先は変わらない。
その指先にはもう結婚指輪はない。
「でも、今は“夢かなう”の意味もありますよね。」
「はい、そうです。お詳しいんです……ね。」
顔を上げた瞬間、息が、時間が止まったと思った。
ずっと会いたいと願っていた人が
今目の前にいるだなんて……。
「三島さん……?」
「結衣……」
「どうして……っ」
言いたいこと、聞きたいこともたくさんあったけど
言葉より涙が出てきて……話せなかった。
「私にとっても青いバラは結衣だった。」
「え……?」
「こんな風に会うのは不可能だと……青いバラが私たちを引き合わせてくれたから、だから、この研究所に興味を持って今日はきたんだ。」
私も年を取ったけど
三島も年を取っていた。
もう50代……昔の三島では想像つかなかっただろう。
三島の瞳にはうっすらと涙が浮かんでいる。
あの冷たそうな瞳はもうない。
目尻にも皺があって
髪の毛もだいぶグレーになっている。
「結衣……」
でも、名前を愛おしそうに呼ぶ声と
ちょっと冷たいこの指先は変わらない。
その指先にはもう結婚指輪はない。