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第2章 契約

そう、契約を破れば彼はもう会ってくれない。
私は彼にとってその程度の人間だから。
自分で言っていて悲しくなるけど。


「……言いにくいんだけどさ。」


「ん？」


「私、結婚するんだ。」


「え…え！？いつの間に！？」


「お見合いしてたの。だって私たちもう30歳だよ？私子供ほしいから、早く結婚したくて。」


「そっか……おめでとう、智美！おめでとう！！」


「ありがとう……喜んでもらえるなんて思わなかった。」


「何でよ……だって、親友が幸せになるんだよ。嬉しいよ。」


「……だから、私もあんたに幸せになってほしいって思っちゃったんだよね。」


「智美……」