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蝶々と甘い蜜。
第2章 契約
「君の…10年を私にくれないか?報酬はこれから一生生活に困らない生活を約束するよ。」


「私が…20歳の結衣っていう名前だからですか?」


「そうだ。」


「……私が違ったらどうするんですか?」


「友達が君の名前呼んでいた。だから名前は間違いないだろう。それに――」


三島の指先がさっき私をつかんだ左手首をなぞってくる。
そのなぞり方が、少ししか触れていないのに
カラダがビクビクする。


「この肌は20歳だ。」


「……どうして、20歳の結衣なんですか?何で…10年なんですか?時間をくれってどういう意味ですか?」


緊張がほぐれてきたのか、聞きたかった質問を全部言えた。
自分の中ですっきりすると、三島がフッと優しい表情をする。
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