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蝶々と甘い蜜。
第2章 契約
「大丈夫か?」


「大丈夫です……でもコップとバラが……」


「傷口を洗おう…ただ、その前に――」


三島はパリンと割れたグラスを踏みながら
私のほうに近づいて跪いてきた。


「危ないですよ!ガラスの破片が――アッ!」


顔を両手で力強く包んできて
顔を近づけてくる。
上唇の先端が触れる――
ほんの少しなのに……
触れている部分が熱くなって
そこから熱がカラダ全体に伝わってくる。


「ここに来たということは、私と契約するということでいいのかな?」


「あっ……は……い。」


三島が言葉を紡ぐたびに
その微かに触れている唇が動いて
擦れて……胸が締め付けられて目が潤んでくる。


何で…?悲しくもないのに、何で目が潤んでくるの?
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