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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第17章 障害物狂想曲━ フォルティッシモ ━
言葉もないのは、当然だろう。しかし関係ない。
「上流階級の殿方がいらっしゃるのに挨拶も出来ないなんて・・・恥ずかしいですわよ。」
嫌味をたっぷり言わせてもらう。
「お前が怖いんじゃないのか?」
「あら、失礼ね。そんなこと、ないですわよね?」
「ッ゛?!!」
彼女の視界に連れて来た男が入ったようでビクッと身体を跳ねさせて表情が青ざめていく。
「さて、と・・・自己紹介がまだでしたわね。私は、伯爵家のミエリアと言います。ジュリアスさまの婚約者です。」
「え・・・・・・??」
まさに〝寝耳に水〟だっただろう。
しかしそれだけでは、終わらない。
「あなたは、騙されているのよ。いい加減、気が付いたらどうなのかしら。」
「騙され、て・・・?」
「そうよ。上流階級のトップに居る方があなたに〝本気になる〟って思っていたの?」