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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第23章  宿り木の下で偽りの口付けを
  


 彼女の強い瞳に見つめられて逸《ソ》らすことが出来なかった。


「では、中身を確認してちょうだい。私は、お茶菓子を頂くわ。」


「はい・・・・・・」


 緊張しながらビデオカメラを手に取って電源を入れる。持っては、いなくとも使い方くらいなら判る。画面のパネルを開いて再生ボタンを押す。


「〔っ・・・逃げるな。〕」

「〔ジュリアス、さまっ・・・どうなさいましたの?〕」

「〔君が、ソレを言うのか?〕」

「〔私との婚約は、受けないと・・・あなたが仰ったのですよ。〕」

「〔君が、欲しい・・・っ〕」

「〔んっ!!・・・・・・ジュリアス、さまっ・・・〕」


「っ?!!!
(な、んなの・・・これ・・・・・・)」


 ビデオカメラの中では、彼が目の前で優雅にお茶をしている彼女をベッドへ押し倒している姿が映し出されていた。


  
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